○高浜町人権のまちづくり条例

令和2年9月30日

条例第30号

高浜町人権擁護に関する条例(平成8年高浜町条例第15号)の全部を改正する。

日本国憲法においては、全ての国民は法の下に平等であり、基本的人権を保障しておりますが、実際には、女性、性的少数者、子ども、高齢者、障害者、被差別部落の人々、先住民、外国人、感染症患者及びその関係者、並びに刑を終えた人々等に対する人権侵害に関する問題は依然として存在しております。

高浜町(以下、「町」といいます。)では、部落差別をはじめ、あらゆる人権侵害をなくし、人権の尊重された明るい地域社会の実現に寄与することを目的として、高浜町人権擁護に関する条例(平成8年高浜町条例第15号)を施行し、全町的課題として取り組んできました。

しかしながら、最近では社会情勢の変化により全国各地でインターネットによる部落差別、本邦外出身者への差別的言動、障害者への人権侵害、いじめ、虐待、DV、ハラスメント等の人権課題が浮上し、重大な社会問題となっております。

このような社会情勢の変化といわゆる人権3法(障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(平成25年法律第65号)、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律(平成28年法律第68号)及び部落差別の解消の推進に関する法律(平成28年法律第109号))を踏まえ、私たちは、町及び町民等の責務、人権施策の推進、人権教育及び人権啓発並びに相談体制の充実、審議会の役割等を明記してお互いの人権が尊重され、生きがいと誇りを持って暮らせる地域社会の実現(以下「人権のまちづくり」といいます。)に向けた取組を確実に進展させ、町の人権行政を力強く推進するため、ここに、高浜町人権のまちづくり条例を制定します。

(目的)

第1条 この条例は、人権を侵害し、又は阻害する行為及び社会的システム(以下「人権侵害」という。)は決して容認されないものであるという認識のもと、町の人権行政の担い手としての自覚と、町民一人ひとりの主体的行動によってあらゆる人権侵害をなくし人権のまちづくりを推進することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義はそれぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 社会的システム 人が日常生活又は社会生活を営む上で人権を侵害される原因となる社会における物事、制度、慣行、観念及びその他一切のものをいう。

(2) 町民 町内に居住し、勤務し、又は通学する者をいう。

(3) 事業者 町内において事業活動を行う個人、法人又は団体をいう。

(町の責務)

第3条 町は、第1条の目的の達成に向けて、必要な人権に係る施策(以下「人権施策」という。)を講ずるとともに、町民、事業者及び関係行政機関と連携を図り、家庭から地域まで、あらゆる分野における町民の人権意識の高揚を図るために有効な手段を講ずるよう努めるものとする。

(町民及び事業者の責務)

第4条 全ての町民及び事業者は、町の人権施策に協力し、人権のまちづくりに参画するとともに、自らも人権意識の高揚に努めるものとする。

2 地域又は団体若しくは事業者の指導的立場等にある者は、人権のまちづくりのリーダーとしての自覚を備え、積極的に行動するように努めるものとする。

(人権施策の策定及び推進)

第5条 町は、人権施策として人権侵害の解消、防止その他規則で定める事項について策定する。

2 町は、人権施策につき積極的に推進するよう努めるとともに、定期的に評価し、必要に応じ見直すものとする。

(人権教育及び人権啓発の充実)

第6条 町は、町民が人権問題を正しく認識するとともに、人権侵害に対峙し、人権のまちづくりに参画する気運を醸成するため、あらゆる教育の場において系統的な人権教育を推進するとともに、全ての町民を対象とするきめ細かな人権啓発に取り組むものとする。

(調査の実施)

第7条 町は、国等が行う人権に関する実態調査等に協力する。

2 町は、人権施策の策定及び推進並びに町民の人権教育及び人権啓発の充実に反映させるために必要な人権に係る実態調査及び意識調査を定期的に実施する。

(推進体制の充実)

第8条 町は、人権施策の推進並びに町民の人権教育及び人権啓発の充実を図るため、国、県及び町内外の人権関係団体等との連携を強化し、推進体制の充実に努めるものとする。

(相談体制の充実)

第9条 町は、国等との適切な役割分担を踏まえて、その地域の実情に応じ人権侵害に関する相談に的確に応ずるための体制充実を図るよう努めるものとする。

(審議会)

第10条 町は、あらゆる人権侵害をなくすための機関としてあらゆる人権侵害をなくする審議会(以下「審議会」という。)を必要に応じ設置するものとする。

2 審議会は、人権上の視点から、町の行政全般に対する審査及び提言を行うとともに、町長からの人権に関わる諮問に答申する。

3 審議会は、人権侵害が懸念される事案について、当該事案の当事者や関係者に協力を求め、事実関係の調査及び検証をし、その解決及び再発防止のため、必要な方策の策定、当該事案の当事者に対する支援及び啓発等について、町長に対し意見を述べる。

4 町は前2項に規定する、提言、答申及び意見について必要な措置を講ずるものとする。

5 審議会の運営に関する事項は、町長が別に定める。

(委任)

第11条 この条例の施行に関し必要な事項は、町長が別に定める。

この条例は、公布の日から施行する。

高浜町人権のまちづくり条例

令和2年9月30日 条例第30号

(令和2年9月30日施行)